NY1_ロックダウン前のNYで感じたアートの重要性

連日テレビではクルーズ船での集団感染の報道が行われ、
まだ日本が自粛をする前だった3月の頭、一週間ほどNYに行ってきました。

その頃の私と言えば、2月に父が急死し、喪主をつとめて葬式を行ったり、

父が一人でやっていた会社の債務について知り、融資先の銀行へ一人でいったり、

生命保険だ、カードの停止だ、なんだに加え、相続の話を親族と重ねたり、
悲しみにゆっくりと浸る時間もなく、
全く予期していなかった事実や作業が一気に降ってきていました。


さらに父が3日間だけ入院していた病院でコロナ患者が発生、
父は肺炎で運ばれため、コロナ患者と同じフロアにいたことになり、
病院に出入りしていた私も感染の可能性があるからと出社停止に。

その後、広報を担当している美術館でも、
感染防止による要請で前代未聞の「再開不明の臨時閉館」という作業が発生でバタバタ。

※ライブハウスや博物館、美術館はどの業種よりも早く3/1から閉館してました

友人や家族にも、悲しみの共有がどうにも難しく、普段通りにふるまうほど、
自分の頭の中がぐちゃぐちゃになっていた時期が2月末でした。


さて、もともと今回のアメリカ行きは、2019年の12月に決めていました
大切な高校の時からの女友達が結婚、そしてNY近郊に引越したことから
「彼女に会いにいってお祝いしよう!」と決めていたものでした。

トランプ政権になってからの渡米は初。

オバマ政権の頃はESTA(簡易的なビザ)を事前申請していれば渡米できたのに、

現政権では、以前イランを一人旅したことのあるという理由で申請がNG

↑こんなに素晴らしい国なのに・・・・

「テロリストの関係者ではない」ことを証明するために米国大使館での面接と

別枠のVISA申請が必要。(この取得話はこの話で面白いのでまた別の稿で)


さて、ビザも無事に取得、中国と韓国、イタリアでの感染が広がっている時期ではあるものの、まだ国内はライブハウスと美術館だけが閉館。
アメリカはまだ感染者がワシントンのみだったこともあり、「気分転換したい・・・!」
と思い切って渡米してきたのであります。

そう気分転換したかったのは、NYがアートの中心地だから!


とにかく行きたかった
世界三大美術館のうちの1つ「メトロポリタン美術館」

&現代アートの殿堂「MOMA」に足を踏み入れてきました\(^o^)/


他にも素晴らしい美術館やギャラリーがNYには密集しているのですが、
初NYということもあり、美術館はこの2つに絞る結果となりました。


とはいえ、今回の旅行を通して、

どれだけ心が癒されたことか。 どれだけ心が落ち着いたことか。


コロナウイルスの登場で、
人生の楽しみである文化的なもの、娯楽的なものを物理的に楽しむことが
一時的に排除されるような生活になっていた感じですが、

やっぱりフィジカル超大事。なんでも生が一番。

ということで、デジタルを楽しんだ2か月後は、
美術館や博物館、様々なアーティストの作品が見られるパワーのある場所で、

先人たちが色んな気持ちをこめて作ったアートを感じに足を運んでほしいと思います。

▼METと呼ばれる美の殿堂「メトロポリタン美術館」の外観

ドラマのゴシップガール見ていたならば、感動もひとしお

作品の前に立ち、これはなんだろう。どんな状態なんだろう。

かわいいな、色きれいだな、なんやねんコイツ みたいに

1人で妄想しながら、ツッコミを入れてみたり、

うわーやべー、と 

何も考えずに圧倒されたり。

部屋が変わるたびに「おー次はこんな感じか」と冒険気分を味わったりする 贅沢な時間。

今回私は、ある風景画で、

いきなり涙がこみあげてくる”カタルシス”な瞬間を経験しました。

その作家のことも知らないし、その場所も知らないのに、
色の美しさや、油絵独特の絵の具が重なった立体感や、その構図が好きで、

見入っていたら、本当にいきなり「ぐわわあああああ」と
体の中から何かがこみあげてきて、制御できなかった。

音楽のコンサートやLIVEでは体験したことあるけど、
アート作品では初めての経験。
(涙が落ち着いた時には何とも言えない爽快感・達成感を得ました。)

コロナ自粛期間中は、
ついついテレビやネットから様々な情報をいれこみすぎたり、
YoutubeやAmazon Prime、NETFLIXで映画や番組をついつい見すぎたり、
情報を受けとりまくる機会が多かったので、


自分のペースで作品の前に近づき、そして遠ざかり、
ゆっくりと自分の頭の中で考えを巡らせ、
落ち着いたら、次の作品へ移動する。

でも雑念が脳内にやってきたり、悲しみがリピート再生されたり、
スマホの通知が鳴ったり、子どもたちが騒ぐ声が聴こえたりしたりする。

考えて、現実に引き戻されて、また別の世界に頭を巡らせて・・・
本当に、芸術鑑賞は、脳にとって、とても大切な行為だわ。
と帰国してから、さらに痛感しました。


▼ロダン 考える人(想像以上に小さくて最初気づかなかったw)

いよいよ東京でも緊急事態宣言が解除され、
全国の美術館や博物館は、三密にならぬよう
「日時指定予約制」を取り入れて来月から営業を再開します。

これって、混雑せずに作品をゆったり楽しむ、
かつてないアート鑑賞のチャンス

長い自粛に知らず知らずにストレスも溜まっているはずなので、
気分転換に、頭真っ白にさせてくれるアート鑑賞をしにいってみてはどうでしょうか。

めちゃいい作品に出会えたら、今までにないくらい、体に染みるはず。


メトロポリタン美術館、MOMA、そしてブロードウェイに
新しい形の演劇Then She fallとNY文化旅の感想はまた別記事にて!



「なんで?」は1日3回まで。

幼稚園の頃に母子2人、ヨーロッパを1か月、 宿予約なしで放浪したのをきっかけに シルクロードを1人で横断したり、DJしたり、 飛行機乗り遅れたり、4年に一度旅にでることをライフワークとする旅人(通算42カ国) 小さい頃、「なんで空は青いの?」的な質問を親にしまくり、 【”なんで”は1日3回まで!】と母に怒られるほど、好奇心が旺盛。 DJでオーガナイザー。企画の手伝いや、文章も書きます。

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