【Russia】「なぜロシアに世界最大規模の美術館?」の面白さ


長い間、憧れていたエルミタージュ美術館に行きましたよ!

作品の紹介とかバシバシしたいとこですが、その前に、
なぜ、サンクトペテルブルクの"エルミタージュ美術館"に
ダヴィンチにラファエロからレンブラント、 ピカソにゴッホにマネと
世界中のアート作品が、 世界で一番コレクションされている美術館があるの? 

と考えたこと、あるでしょうか。


この回答がわかると、世界中の美術館巡りがさらに面白くなりますよー!



サンクトペテルブルクに世界一のアート作品数のある美術館がある理由。
それは 「ロシアの威信を内外に示すため」と言われてます。
”エルミタージュ美術館”は、ロシアの歴史×国家施策と切っても切り離せない存在。

「おいおいおいおい!なんだそれ~!」となる人もいることでしょう。
 ではまず、有名な美術館や博物館がある国を思い浮かべてみましょう。


上記のルーブル美術館のあるフランスをはじめ、イギリス、アメリカ、スペイン、
ついでイタリア、ドイツ、オーストリアといったところがあがりそう。

私も上記の国々いっては美術館や博物館巡りをしてきたのですが、
そこでも、最初に違和感を感じてます。 

なんで、エジプトのミイラがロンドン(大英博物館)に、
なんで、バビロン宮殿の宝物がベルリン(ペルガモン博物館)に、
なんで、イタリアで描かれたモナリザがパリ(ルーブル)に、
なんで、雪舟がボストン(ボストン美術館)にあるの?と。

なぜ "有名な作品"ほど、
作家が製作した国と コレクションされている国が違うの?
と。

最初はその国が、ただ金持ちなんだなーとぼんやり思っていたものの、
これ、すごく面白くて、 よ~くその作品がある国を見ると、
全てが、世界で頂点とってた歴史のある国々。

 "有名な美しい作品"、”歴史的に価値のある宝物”があればあるほど、
その美術館、都市、国の文化レベルが高く見えるので、
  軍事力や経済力で圧倒するだけでなく、 「うわー。すんげー!」と、
心から「やられたー」と感動させることができるわけです。

文化的にも覇権を握るために、世界レベルの美術館や博物館を、国が援助し続ける
文化施策をとった国々が先ほど上がったヨーロッパの国々。 

美術品を集めることは文化施策、 美術品を守ることはリスペクトにつながり、
さらにいい作品が身近にあることで、 自国のアーティスト達の発展にもなりうるわけです。

これを前提に、最初に話を戻すと、
なぜロシアのサンクト・ペテルブルクのエルミタージュ美術館が
世界最大のコレクションを誇るのか?を考えると、
計り知れない"ロシアの強さ"にゾクゾクしますね。
(逆に新しい国シンガポールは、新しい価値観を創出する デジタルアートに手厚かったりします。)

では、この超すんごいロシアの美術館【エルミタージュ美術館】は誰が作ったの?というと、
 「ロマノフ王朝」という長いこと続いたロシアの王族の "エカテリーナ"という女王様がご主人。
彼女はロシア人ではなくドイツから嫁いできているのですが、超やり手。

彼女の住んでいた宮殿がそのまま美術館になってます。 


アート作品だけでなく、とにかく内装や庭もすごい。 アート作品に集中できないくらいすごい。
当時のフランスの宮廷文化に追いつけー!
ルネサンスの作品集めて、部屋も再現しろー!という勢いを感じます。

エカテリーナがいなくなってからも美術品を集め続け、
しっかり根付いた後のロシアの王宮文化や絵画も楽しめます。

もちろんそのあとには、ロシア革命によるロマノフ王朝の断絶、
第二次世界大戦中のドイツ軍による900日のレニングラード抱囲戦、
スターリン時代の過酷な弾圧などの歴史が続いていきます、
興味のある方は是非、こちらの映画を



アートと政治がここまで絡み合う美術館は、エルミタージュだけなのでは・・・?
宮殿(美術館内)は大きく、最後は足が痛くなるほど歩きます。 若いうちに行きましょう。

いよいよ次回は宮殿と作品の紹介を!
           

「なんで?」は1日3回まで。

幼稚園の頃に母子2人、ヨーロッパを1か月、 宿予約なしで放浪したのをきっかけに シルクロードを1人で横断したり、DJしたり、 飛行機乗り遅れたり、4年に一度旅にでることをライフワークとする旅人(通算42カ国) 小さい頃、「なんで空は青いの?」的な質問を親にしまくり、 【”なんで”は1日3回まで!】と母に怒られるほど、好奇心が旺盛。 DJでオーガナイザー。企画の手伝いや、文章も書きます。

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